父親の役割

1997.11

現代社会において、男女の性差というものは役割的に縮小しています(ジェンダーレス社会へ)。女性が学校を卒業してから就職することはごくごくあたりまえになり、また労働条件の整備につれて結婚してからも、あるいは出産してからも、復職したり再就職することも多くなりました。また、家庭の中においても、男性向きの仕事とか女性向きの仕事という差はなくなりつつあるのではないでしょうか。
わたしたち夫婦は、平成8年2月に結婚しました。共働きで収入差もなく生活費は完全折半、家事も得手不得手を加味しながら分担というスタイルをとってきています。
結婚してから約1年3か月後(平成9年6月3日)に妻は男児を出産。(さすがにこればかりは「父親」にできる役割ではありません)。
妻もわたしも、福利厚生制度の比較的手厚い職場でしたので、先々を見越しながら、制度の活用を検討することができました。
わたしは転勤の可能性がきわめて少なく、自宅(東京都大田区)から50分(港区)ですが、妻は1時間30分近く(江戸川区)かかり転勤の可能性があります。先々保育園の送迎を考えたときに妻ができるだけ近くの職場へ転勤することが望ましいのですが、それには、子どもが一歳になるまでとることができる育児休業を早めに切り上げて職場復帰し、翌年四月一日の異動に備える必要がありました。
そこで、妻の職場復帰を11月21日に設定しました。
次には、子どもの保育についての手当をする必要がありました。わたしは公共サービス機関に勤務しておりますので、比較的情報収集は簡単に、また、緒先輩方からは裏情報を含む体験談を聞くことができました。しかし、実際は困難をきわめました。
大田区で0歳保育は、半数ぐらいの保育園で実施していましたが、定員いっぱいで、年度途中から入ることはまず不可能とのこと。
次には、範囲をひろげ、未認可の保育所や勤務地の保育園などもあたりましたが、これも望みなし。そこでとりあえず福祉事務所に入園申請を提出しておくだけとなりました。
他の公的サービスとして、保育ママさんという制度があります。これは自宅で少人数で預かってくれる制度ですが、これも保育ママさんの数が少なく定員いっぱいで無理でした。
最後に、民間のベビーシッターサービスをあたることになりましたが、今登録している協力会員はすでに定員いっぱいとのことで、数週間新規の協力会員の登録を待ち、やっとのことでお願いできるようになりました。この間、妻の職場復帰の日が近づき気が気でありませんでした。
妻の育休期間中、わたしの分担は夜の風呂のみでしたが、妻の職場復帰を目前にし、朝の送りをわたしが、夕の迎えを妻が、一週間にわたり予行演習しています、来週からは再び共稼ぎ状態になります。
昔からの男性は外で労働し収入を得、女性は家を守っていくという図式が崩れていく中で、女性は、子どもを産むという女性でしかできない部分が残りますが、男性は男性でしかできないという部分が無くなりつつあります。
ほとんどを近況報告で埋めてしまいました。
子どもから見れば、「母親」は産んでくれた人でありつづけますが、家庭内での役割の性差がわずかになっている現状では、「父親」は単なる「親」でしかないのかもしれません。
しかし今後子どもから、「父親」として頼りにされたり、母親の子育てを支援する父親として期待されたり、父親でなければできないことも無いとも言えません。
今回我が家では、産休はもちろんのこと育休も短いながら妻がとりましたので、今は、子どもと接した時間の差をどう挽回するかがわたしの課題です。


← 「随筆・その他」のページへ
■ ホームページに戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送